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負けず嫌い/※セックスの知識がちょっとおかしい雑渡さん(ぬるい)


▼負けず嫌い



雑渡の指が首に掛けられたので、なにか怒っているのかなと伊作は思った。
埃っぽくて薄暗い小屋、裸の伊作の背中には雑渡の着ていた装束が敷かれている。汚しても構わないと言われてその上に寝かされたから伊作はてらいもなくそこで雑渡に抱かれた。まだその最中である。膝を畳んで足を広げる伊作の中には勃起した雑渡の性器が収まっている。

「ひぐ、ぅ」

不意に被さる様に身を乗り出した雑渡に伊作はなにごとかと問いかけようとしたのだが、首に掛けられた片手にぐっと力が乗ったので呼吸の成り損なった声が出た。
なにか怒っているのかな。伊作は雑渡の顔を見上げたが、別段心当たりも無かったし、雑渡の顔は穏やかだった。むしろ此方を伺うように心配そうな片目は愛情に満ちているとも言えるくらいで伊作は抗う代わりに僅かに首を傾げた。きつく首を押さえる指が食い込み、はふ、と伊作は息を零す。首を締めつけられる痛みをそろそろ息苦しさが上回りつつある。
こういう趣味があったのだろうか。
伊作は雑渡と性交渉を持つのはこれが初めてのことであるから、雑渡に特殊な嗜好があったとして伊作がそれを知らなくてもおかしくはない。
首を押さえられたまま、腰を支えられて緩く揺さぶられる。酸素の回らない頭は熱くなってふつふつと汗が浮いているし、こめかみの辺りで血管がずきずきと鳴っているのだが、中を揺すられれば気持ちよくて伊作は無声で喘いだ。

「っ…は、…か、は…!」

雑渡の指が少し緩むと、僅かに気道が開いて喉がひゅううと音を立てた。その音を確かめた様に間があってまたぴたりと喉を塞ぐ。一、二、三、と伊作は頭の中で数を数えた。脳の細胞が全部死んでしまう迄は、百幾つか数える程で足りてしまう。雑渡の手首に添えた指はもうびりびりと痺れていた。突き上げるように強く揺さぶられると殺されかけの身体が、神経が悲鳴を上げるように軋んでそれが快楽と言えなくもなかった。勃ちあがった性器の先からはだらだらと漏れ零す様に精液が流れ続けていることを伊作は自覚出来ていない。

「伊作くん、」

喉を塞がれている伊作は言葉を返すことが出来なかったので黙って雑渡を見返したが、雑渡はただ情事の最中に恋人の名前を呼んでみただけという様子で空いた片手で伊作の髪なぞ撫でている。
 酸素を求めて開いた口から舌が突き出して涎が滴る。百一、百二迄数を数えた。雑渡はなにか食す様な仕草でゆっくり口を開くと突き出す舌に噛みついた。一瞬、思考が止まる。百十…幾つだったか。死ぬ、と思って伊作の意識は眩んだ。



「…本当に死ぬかと思った!」

長い時間咳込み、ひゅうひゅうと呼吸を鳴らしていた伊作はようやく赤く手形のついた喉を擦りながらそう雑渡を詰った。

「ごめんね、他に仕方を知らないものだから。」

 なにかおかしかったかな、と雑渡は不思議そうに首を傾けるので伊作は半ば驚いた様に、半ば呆れて溜息を吐いた。

「……いつもこんな風になさるんですか?」
「嫌だった?」

首を傾げたまま雑渡は伊作を覗きこむ。嫌だとか良いとかよりもこれが雑渡にとってスタンダードなセックスの形であるという点が問題ではあると伊作は思う。
ややあって頭を振った。

「あなたにこういう風に抱かれた人がいるんでしょう?」

なら僕もこれで結構です、と伊作は少し強情を張った。







という流れを前提にした雑高を後日書く・・・かもしれない。
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