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願わくば不幸であれ/※(雑高) 雑伊前提。高坂設定ねつ造。

▼願わくば不幸であれ

これの前話。





 抱かせて欲しい、と雑渡に言われて高坂の鼓動は跳ね上がった。
それは単純に高坂が雑渡に心酔しているから期待した、というのでもあるし、抱かせて欲しいなんていう珍しく下手に出た物言いに動揺したからでもある。
 高坂は元は流れの芸人だ。彼を含む田楽師一行が遊行に訪れたタソガレドキ城で、見た目の良いのに目を付けられて留め置かれたというのが高坂がこの城に居るそもそもの始まりである。その後の紆余曲折は割愛するとして、二十歳も越えて小姓には些か唐の立った高坂は今は忍び組の組頭、雑渡昆奈門へと宛がわれている。色を目的に宛がわれた高坂であるが、雑渡は彼に忍びの術を教えて専ら自分の部下として扱っている。
そこに先の台詞である。雑渡の申し出に高坂は一瞬驚いたが、元々の自分の役目を思い出せばそれほど妙なものではないかもしれない。
 高坂は支度を整えて宵に出直す旨を伝えた。


 それにしても何故今更に、という話である。

 彼を傷つけたくないのだ、と薄宵、寝所に現れた高坂に雑渡は言った。彼と言うのは雑渡が近頃執心している少年のことを指すのを高坂は知っている。名前迄は忘れてしまった。良く整った顔をしていたと思うが、自分があの年の頃にはもっと美しかったとも思う。
雑渡は、実のところ男色を知らぬらしい。成程それで、と高坂には合点がいった。自分は謂わば予行のようなもので。

着物を脱いだ一糸纏わぬ裸で横たわる。そこに気後れは無いが、ひとつひとつを口にして雑渡を導いて行くのは酷く恥ずかしくて高坂は震えた。香油を塗った温い指が中を緩めようと掻き回している。
ふ、ふ、と途切れがちの息を高坂が吐く。色の白い顔を首元まで赤く染めて、俯きながら、当たると良い所を雑渡に教える。

「くみがし、ら・・・、ぁ・・・もう、・・・もう結構です」

まだ十分に慣らされたとは言い難い状態で、高坂は敢えてそう言った。
自分が導いたとおりに少年を抱くのだな、と思ったのであまり丁寧に扱われるのが癪だったかも知れない。
 少し無理をする形で雑渡を受け入れる。
中に押し入られるとき、引き攣れるような痛みを感じたが高坂は殊更良さそうな声を上げた。いや、良かったのだ。実際の痛みや違和感よりも高揚感が勝る程度、高坂は雑渡を慕っているらしかった。
無理をしていないか、と気遣う台詞が雑渡から掛けられたが高坂はそれを無視して足を絡めて雑渡の腰を引き寄せた。それに応える様にぐっと奥を突き上げられて高坂は嬉しそうに喉を仰け反らせて喘ぐ。

「あっ、あ、・・・っぁ、ん・・・!」

一度雑渡が高坂の額に手を伸ばして汗に張り付いた前髪を払った。高坂はその手の甲に自分の手のひらを乗せた。それを己の喉元に導く。

「絞めて、ください」

うなされる様な意識の中で高坂は妙にしっかりと自分がそういう言葉を発するのを聞いた。
雑渡は一瞬驚いた様な目をしたが、それほど躊躇いもせずに指に力を入れた。白い喉が指の形に窪み、ひしゃげる。あまりに躊躇いが無いので若しかしたらこのまま誤って殺されるのではと思う程だった。縦しんば自分は痛い苦しいで済むとして、まだ子供の域を抜けきらない少年の柔らかな喉ならば潰すのではないか。殺すのではないか。
そういう不幸な事故を想像して高坂は昂った。
無呼吸の中、繋がったまま細かく緩く腰を揺する。抜き差ししなくても達してしまいそうな倒錯感だった。びくり、と手先が爪先が大きく跳ねて痙攣した。
なにをさせているのだか。
笑おうとして、口の端が歪んだのを殺してしまうと思ったのか雑渡の指が緩む。気道に一気に流れ込む空気がひゅうっと音を鳴らすのを飲み込みながら高坂は、まだ放してくれなければ良かったのにと思う。
酷く咳込む。

「っが、は・・・!げほ・・・うぇ・・・っ」

臍の横をつう、と生温い物が伝い落ちて高坂は自分がいつのまにやら射精していたことを知る。嘔吐きながら肩を震わせて笑うと不思議そうな雑渡のもの問いた気な視線とかち合って高坂は首を振った。いいえなんでもありません、と言おうとしてすぐには声が出なかった。唾を飲み下すとずきりと喉が痛む。

「どうした」
「いえ、」

あなたに抱かれる子が羨ましい。
とは高坂は言わなかった。



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