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数が合わない/コーちゃんの秘密・謎掛け編 雑伊


▼数が合わない
 



「この骨は誰のだい?」

と聞かれたので伊作は物語を始めた。




 僕は昔、売られたか、浚われたんだと思うんです。
子供の頃のことなのでよく覚えてないんですけど。

まぁ、とにかく僕は親でも兄弟でもない誰かと暮らしていた時期がありました。
男の人でね、その人が僕を一人残して出掛けるんです。それで決まって怪我をして帰ってくるんで僕が手当てをするんです。
そのお陰で大分治療が上手くなったんですよ。

でもある日、僕は手当てを間違ったんです。間違ったんだと思います。
いつも通りに薬を出してきて塗った筈だったんですけど、男の肌が焼け爛れてね、怖かったですよ。
僕はすっかり狼狽して家に火を放って逃げたんです。大人から失敗を隠すような感覚だったのかな。

それから何日もたって僕が食べるに困ってお金を探しに焼け跡に戻ってみると、そこには丸々綺麗に骨が残っていたんです。

僕はもう二度と治療に間違いがないように、それを持っていって側に置いてるんです。


で、それです。
と言って伊作は話し終えた。

それまで黙って聞いていた雑渡が口を開いた。

「君だったのか」


雑渡はぼりぼりと焼け爛れた皮膚を掻いた。
ん?と伊作は首を傾げた。
「じゃあ、この骨は誰のだい?」


数が合わないじゃないか。伊作はまだ分からないで首を傾げている

→回答編に続きます
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