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不適正審査/微エロ・微グロ。伊作が医者にならない訳 雑伊


▼不適正審査





なんで医者にはならないの。

と、くるくる包帯の巻かれていく腕を見ながら雑渡は言った。伊作は黙って目線を上げて男の顔を見ると、また包帯くるくるを始めた。

「向いてないからです」

ぴっちりと綺麗に素早く包帯を雑渡の身体に巻きつけながら伊作は言った。きゅっと先を結んで余分な部分を切ったら包帯巻きは終わりで、雑渡が腕を曲げ伸ばししてみると変な皺が寄ることも引き攣れてしまうことも無くってとても快適だった。

「なんで向いてないの」

 こんなに上手なのにね。伊作は雑渡の身体に綺麗に包帯が巻ききれたかをよくよく眺め、他に手当ての出来るところはないかと顔を近づけ手で触って探している。こんなに熱心なことだし、やはり伊作は医者にでもなればいいのではないかと雑渡は思うのだった。けれど伊作は首を振る。
 
「僕も一度はそう思ったんですよ」




 忍を志す途中でふらっと医者になるというのもあるのではないかと伊作は思ったのだと言う。

伊作は昔から、忍びに向いていないと再三言われてきたし、保健委員になって友達の手当て看病をするうちに伊作はどうもそちら向きだと皆言うようになった。
 伊作は忍具の扱いなどどうも不器用で危なっかしいのだが、級友の手の皮の複雑なところに刺さってしまった棘なんかを抜くのは非常に器用に出来た。

 保健委員会顧問の新野先生などは伊作は心根の優しい生徒であるから、忍になるのは辛いことかもしれない。他に適性があればその道を指し示してあげようと保健委員としての範疇を越えた医学の真似事のようなことを伊作に教え始めた。伊作が四年に上った辺りのことである。

 この頃には人を癒す方が自分向きと自己認識していた伊作は随分乗り気でこの勉強に挑んだ。実際、勉強ははかどったのである。


 さてある日、新野は伊作を合戦の終了した戦場へ連れて行った。
そこには負傷して帰れない怪我人やらまだ死にたての兵士やらがあちらこちらに溢れかえっていた。その中から新野は一体の男の死体を引っ張り出した。

いいですか、人を看るには身体の仕組みをよく知らねばなりません。

新野はそういって男の腹を広げて、閉じてしまわないよう皮を引っ張って数箇所を地面に棒手裏剣で持って刺し止めていった。骨の場所を良く覚えてくださいね。骨の折れた人を看るとき、何処が折れたのかちゃんと分からないといけませんからね。良く見たらあばらを取りますから、内臓を良く見ましょう。ひとつずつゆっくり教えるから大丈夫ですよ。

新野の声を聞きながら伊作は真面目な顔で男の死体の傍らに正座して、手に持った紙に覚えたことを書き取っていった。
 しかし新野の指導を受けながら生々しい肉色を眺めてしばらくもしないうちに伊作は立ち上がった。すいません、ちょっと駄目みたいです。伊作は早口で言ってその場から逃げた。
 自分は医者には向いていないとそのとき初めて自覚して伊作は酷く動揺した。




「怖かったの?」



伊作の話を聞いて雑渡は訊ねた。伊作は如何にも生臭いものが駄目そうな可憐な感じがする。
だけど伊作は、開いた腹ほどではないだろうが十分にグロいだろう雑渡の包帯の下なんかには眉一つも動かしたりしないのだ。伊作はいいえ、と言った。

「怖くはありませんでした。勉強になったし、むしろ綺麗だと思ったくらいで」


そこで伊作はちょっと言葉を切って言いづらそうに視線を彷徨わせた。
ただ、あの、
暫く躊躇った後、伊作はそっと口元に手を当てて雑渡の隣にぴたりと身を寄せて耳打ちした。雑渡は片方だけの目をきょとん、と見開いた。


勃起しちゃったんです。

 白い頬をほんのりと染めて伊作はそんなことを言った。性的欲情などついぞ覚えたことがなかった伊作は男の内臓に初めての興奮を覚えたという。それは始め伊作を酷く動揺させた。

「落ち込みましたよ。性欲なんて意識するのもまだ恥かしい時分でしたからね。僕はおかしいんだって考え込みました。当然医者になるのは諦めましたよ。向いてないじゃないですか。」

だから、こういう手当ては趣味の範囲で。
そう囁いた伊作はまだ頬を赤くしたまま睫を伏せている。

「趣味、か」

 落ち込んだ割りに随分と割り切ったものだ。雑渡は伊作の背を抱き寄せて首筋を甘く噛んだ。ぴくり、と肩を揺らした伊作は震えたような息を吐き出して身体を雑渡に押し付けたりする。伊作の擦り付けてくる腰の辺りが妙に熱っぽいのを知って雑渡は苦笑した。

「さっきも興奮してたのかい?」 

きゅっと目を瞑った伊作が素直に頷くのを見なくても、袴の脇から差し入れた手で探ってやったそこが、欲情しているなんて余程露骨に訴えている。仕方の無い子だ。握って上下に扱いてやると鼻に掛かって喘いだ伊作が雑渡の首筋にきゅうっとしがみ付いてきた。

嗚呼、成る程。

本当に医者には向かない性質だ。猫の子のような鳴き声を上げて程なく自分の手の中に射精した伊作の精液を眺めて雑渡はつくづく思ったのだった。

 
可愛い伊作を書いたつもりがまたも淫乱ビッチ気味ですね。。伊作は変態で淫乱だと良いと思います。
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