▼それって心臓より大切かい?
「私はね、雷蔵。お前と同じものになりたいんだ。いやお前の一部になるんでいい。例えば心臓になってしまえたらどうだろう。当然のように雷蔵の為に動いて、雷蔵もそれを当然と思うまでも無く認めていて、そして雷蔵が動かなくなったら私も動かなくなるんだ。そうなりたいなぁ」
すると雷蔵は丸い目をぱちくりさせてそれはそれは呆れたという顔をして言うのだ。
「・・・三郎は馬鹿だねぇ」
私は分かってもらえなかった悲しさでガッカリする。ガッカリする私を雷蔵は益々怪訝そうな顔で見るのだ。
「三郎、僕は自分の心臓とキスする方法もセックスする方法も知らないよ。」
今度は私が目をぱちくりさせる番で、いや、そうか雷蔵は結構えっちだなぁ、というか大胆だなァ、というか心臓は確かに気持ち良いことをしてあげられないものね、というかそういうことなのか?本当に。と色々グルグルしたけれどいやしかし、とりあえず今の雷蔵の発言を踏まえて、私には目下雷蔵の心臓になることよりも重要な使命が生まれたよ。
「雷蔵、えっちしようか」
すると雷蔵は、うん、そうだねぇ、と酷く爽やかな笑顔で私にキスをするのだった。
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