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未熟だね、と見下ろされてしまって伊作は悔しそうな顔をした。
時折忍び込んでくる雑渡昆奈門という男が伊作の目の前に降って沸いたように現れてから、伊作が床に組み伏せられて背中で両腕を縛られてしまうまで本当にあっという間だった。
伊作はといえば突然の乱暴にぎゃんぎゃんと喚くばかりで、縛られた腕を解ける様子も全く無いから雑渡はむしろ呆れてしまう。
「君は本当に忍びに向いてないね。…真面目にやってる?」
伊作はむやみやたらに手首を捩っていたが、本気を疑われてしまって甚だ不本意である。言い訳がましくぼそぼそと、手首が太くならないからどうのなど呟いている。
「それじゃ、刃物の一本も持ってないのはどういうわけだい」
「うぅ、」
雑渡は別段縛り方に解け難いような工夫を凝らしてはいないし、伊作の持ち物を調べて刃物を取り上げるといったことは全くしてないのである。けれど、そもそも伊作は学園内で四六時中着物に刃物を隠しておく程用心深い性質でもない。
自覚足りないんじゃない、と指摘されてすっかり項垂れてしまう。
この雑渡という男は、ことある度伊作を自分の勤める城の忍びに勧誘するのだが、それが本気らしいことに時折こうして伊作を試すような真似をする。
そこで伊作が不貞腐れていると、雑渡が着物の袷を割って肌に触れてくるので伊作は眼を見張った。
「え、…?あの、雑渡さん…?」
「うん?」
戸惑いがちに伊作が声を掛けると雑渡は手を止めて伊作の言葉を促した。伊作の着物の前は開ききっていて内に着込んだ黒い前掛けは胸の上までたくし上げられている。伊作はここにきてもう一度解けないと分かっている両腕を捩ってなんとかしようとした。
「え、と………何かします?」
大概危機感の薄い伊作の台詞に、あははと雑渡は笑ったので伊作の顔はひくりと引き攣った。不勉強のつけにしては高すぎる授業料を払わされることになるらしい。
ごくりと喉をならした伊作の薄い胸の上を雑渡の手のひらがまた往復しはじめる。縛られた腕に背が乗って、伊作はやや胸を突き出す格好である。
「っ、」
胸を擦る手のひらに、つんと立ち上がって引っかかる乳首を今度は指できつく摘まれて伊作は息を詰めた。
痛いぐらいに引っ張られて爪を立てられて、目に涙が滲む。指を離されてもじんじんと疼いている乳首にふっと息を吹きかけられ伊作の背筋が震えた。次いで濡れた感触があって腫れ上がった乳首を口に含まれたと知れる。
「ひぅ…」
甲高く喘いで伊作はぴくんと身体を跳ねさせる。
舌先で転がして歯で挟みこんだりしながら、もう片方の乳首も指の腹でぐりぐり押し潰してやると伊作は猫の子の様に可愛く鳴いて身を捩った。
「や、あう…んぅっ…」
「伊作君って、結構やらしいよね」
雑渡が視線を向けると伊作は袴越しにも見て分かるように勃起しているらしい。着衣の上から膝を乗せて痛いだろうと思われるぐらいににじってやれば一際甲高い悲鳴が上がった。
「ひっ、ああぁ・・・っ!」
じたばたと伊作の身体が暴れて、やがて大人しくなった。
目元を真っ赤に染めて浅く息を吐いているから、確かめるように袴の股間を探ってやればぐちゃぐちゃと湿った音がした。
「・・・苛めたつもりだったんだけどね。気持ちよかったの?」
若いなぁ、なんて雑渡は溜息を吐いている。
こんな風に簡単に捕まって身体を遊ばれている伊作の、凡そ忍らしからぬ心構えの甘さを雑渡は咎めているのだけれど伊作にはちっとも仕置きにならないらしい。
雑渡の手に擦り付けるみたいにして伊作の腰が揺れた。
「懲りてくれないと、なんの教訓にもなりゃしない」
伊作はすん、と鼻を鳴らして雑渡を見上げた。
「以後気をつけます…」
弱々しく呟く伊作の言葉によしよしと頷いてみせる雑渡の様子はなんだか親か教師みたいなのだった。
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