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多分気違っているのだろう、可哀相に。
少年は私がバラかしてしまった標本を床に四つん這いになって掻き集めている。背のラインと突き上げる腰の高さが美しい。人骨を標本にして組み立てて飾る神経は全く私には分からないものだけど、この如何にも若い弾けそうな色気は良く良く理解が出来る。少年は若く美しい。
「可哀相に可哀相に。痛かったでしょう。」
白い指先で、もっと白くて細い指を掻き集める。眉を下げて悲しそうに骨を拾う姿があんまり儚いものだから私は君を抱きたくなって、四つん這いの背を抱きしめて覆いかぶさったら骨を踏んでしまってべきっと音がした。
嫌ぁ、と悲鳴が上がる。
私が項を吸っても全く気にせぬ素振りで、少年は折れた肋骨を拾い上げて抱くから嫌なのは犯される恐怖ではないのだろう。私は少年の腰の帯を解いて袴を引っ張って、そうする間にも少年はより多く骨を手元に集めようともがくから脱げた着物に絡まってじたばたと床で可愛くのたうった。
「コーちゃん、コーちゃん…」
少年は骨を呼ぶ。呼ばれても転がってきたりしないされこうべは少年の手によって着せられた黒い頭巾をひっかぶって床から少年を見つめ返す。少年の爪の先がされこうべの目の穴を引っ掻いて、ちょっとずつ頭蓋を手繰り寄せる。少年の無心な目は赤子が気に入りの玩具を付かんで離さないが如くだ。まさか君それを口に含んだりはしないだろう。少年は色っぽい溜息をついて頬骨に頬擦りする。
「そんなにこれが好きかい?」
私は足元にあった、肘から指先までの骨の塊をじゃらんじゃらんと振って見せる。少年の目に浮かぶ秋波と来たら、可哀相に気が違っているのだろう。こんなガラクタ。そんな色目で見るものじゃないよ。
「それなら彼に、抱いてもらえば良い」
彼だか彼女か知らないけれど、私は標本の手に手を重ねてか細い指先を少年の後ろの窄まりに差し込んでみる。四つん這いの背をきゅうっと反らして少年の頬は一気に薄桃色に色づく。なんともいやらしい。
「ふぁ、ああっ…!」
少年は肘から崩れて頭蓋を抱いて鳴く。
標本の細い指は抜き差しすると節の部分が入り口に引っ掛かるのが良いのだろう。少年は乱れる。
骨の指を二、三本纏めて突っ込んでぐちゃぐちゃに抜き差し、かき回す。湿った水音にからんころん、と骨のぶつかり合う音が涼しげだ。指の骨で風鈴なんかつくったら風情があるかもしれないと思いつく。
「んんっ、ふぁう…!良い…気持ち良い、っ…」
少年は震えながら片手で自分の性器を擦って乳首を弄っている。
もう物足りなさそうだ。手首の骨を放り捨てて代わりに一番太くて長さのある骨を拾ってみた。
「何処の骨だろうね」
「大腿骨…」
うっとりした声が返ってくる。骨を床にぶちまけてから少年が言葉を返したのは初めてじゃないだろうか。大腿骨の中頃のなだらかな部分は少年の中に押し入ったところで問題なく見えるが、先の形が歪な所は入るだろうか。入り口に押し付けてぐりぐり広げてみれば少年はふぅっと息を吐いて自ら中に取り込もうと協力的だった。
「くぅ…あ、ああ、…入る…入ってくる…」
薄い腹を痙攣させて少年は涎を垂らしている。そんなに良いものか。
いつもはちょっと賢そうな涼しげな目元をしているのに、どうもこの子はおかしい。骨に恋をしているようだ。ぐっと中に押し込んでやろう。甲高く少年の叫ぶ。
「嗚呼、コーちゃん…」
駄目だよと言って伊作君はされこうべに接吻した。
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