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(18)絶倫/※がっつく諸泉と若くない雑渡 部下雑


 嗚呼、若い。
若いとは良いものだ。疲れを知らなくてがむしゃらで、大体見るものの全てが実際より美しく見えてしまっている。

 雑渡はそんなことを考えてはぐったりと身体を布団に沈めるみたいに張りつけて横たわっている。自分は若くない、とぼんやり思う。それなりに働き盛りのつもりの雑渡は、男を己のうちに招き入れる性交で一晩に三回絶頂した後で更に腹のうちを性器で抉られて快楽を感じられる程には、若くなかった。

 そういうわけで雑渡はその身に圧し掛かっている諸泉という年若い部下を、己の身体を貫かせたまま蹴飛ばしたのである。

「あっ、う…」

 おかしな体制で動くから腹の内壁が擦れて雑渡は呻き声を上げた。そんな雑渡の足を引っ掴んで肩に担いで諸泉は腰をぐりぐり押し付けてくる。膝が胸に付きそうなくらい押し曲げられて雑渡は苦しそうにした。若くないのだ。そんなに身体は柔らかくないし股も開かないし、第一みっともない。諸泉は肌もつやつやして瑞々しい。目なんかキラキラさせて雑渡を抱く。


「組頭、今の可愛かったです。」
「…勘弁してくれ。」

 若さは羨ましい。大体見るものの全てが実際より美しく見えてしまっているのだ。雑渡はキラキラしている男の目から逃げるように両腕で顔を覆ってしまう。全身がふつふつと汗を掻いて気持ちが悪い。額からこめかみを伝って汗が水滴になって流れて落ちている。
 諸泉は一度腰を引いてまた奥へ押し付ける。直腸を擦られる違和感に身体は変に息んでしまうからずっと緊張しっぱなしの身体の筋が痛い。足が持ち上げられて浮いているから重みが腰の一点に掛かったりしてそちらも痛い。雑渡は大きく口を開いて酸素を取り込むのに必死だ。するとその口を諸泉が吸おうとするので、手のひらで顔面を押し返して無茶苦茶に暴れた。若さというものに食い殺されてしまう。

 
「組頭、好きです。好きです。大好きです。」


 言葉の一区切り毎に腰を打ち付けられてうんざりしてしまう。
諸泉は雑渡の性器が萎えているのを見て、そちらに手を伸ばす。雑渡は疲れきっていて、やめてくれと言おうとして喉がひゅーっと木枯らしのように鳴った。
きつく握られた性器を根元から指で輪を作って扱かれる。何だかんだ言って、結局勃った。押し出される様に切れが悪く精液が先端にぷくりと溢れては零れる。


「あ、あ、あ゛、」


 声の悪い鳥でも鳴いている様だ。語尾の掠れた音に雑渡は思った。喉が焼けているから悲鳴になると化け物みたいな声が出る。諸泉はうっとり昂揚した顔でそれに耳を澄ますので、やっぱり若さのなせる業だと雑渡は思った。
先端に爪を立てられて身体がびくりとしなった。四度目の絶頂は最早息苦しい。勢いの情けない射精の最中に中をガツガツと攻め立てられて本気の悲鳴が出た。本当に勘弁してくれ。


「うっ、組頭。イきそうです…っ」
「…早く、」


 終らせてくれと思って言った一言は年若い部下をえらく喜ばせたらしい。
余計酷く揺さぶられる。瞼の裏がちかちかして眩しい。足の指がぎゅうっと攣って、脹脛辺りの筋肉が引き締まる。筋肉痛になってしまうとか雑渡が思っていたら、諸泉が中で吐精した。

 雑渡はもう何も言いたくなくて黙って目を閉じていた。

 諸泉はしばらく萎えた性器を抜こうとしなくて、雑渡の中に納まったまま幸福そうに雑渡の顔やら首やらに吸い跡を残している。早く抜いて中を掻き出してくれなければ腹を下す。大人は情交の最中でも明日のことを考えられるのだけれど諸泉は殆ど子供といえる程若いのだ。そのうち雑渡の腹の内でまた固くなった。


「もう、付き合わないよ…」
「そんな、組頭、あと一回だけ…」

 諸泉は叱られた犬のような寂しげな目をして雑渡に乞う癖に、腰はもう緩く揺すり始めていて図々しい。


「もう少し同情して欲しいものだね。私は年を取って疲れていて、身体だってこんなにボロボロなのにそんなに乱暴にして足がポロっと取れてしまったりしたらお前、どうしてくれるんだ。」

 雑渡はあんまり疲れたので情に訴えるつもりで妙なことを言う。諸泉はきょとんとした顔で聞いていたが、やがてやっぱり雑渡の足を引っ掴んだ。


「すいません。それすごく興奮しました。」


 諸泉はつやつやしている。目がキラキラしている。
嗚呼、若さとは。雑渡は思った。
己の手の内に届かなくなれば、途端にそれが素晴らしいものにも思えるが若さなんてこんなものだ。


「お前を見ていて思い出した。若いっていうのは人の話を聞かなくて自分勝手で下らないことですぐ興奮して、犬みたいに腰振ってばかりいる時期だった。」


それから雑渡はなにもかも諦めてまた布団の上にぐったりとなった。

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