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委員会から帰ってきた雷蔵が疲れた顔で肩など解していたから、三郎は雷蔵の肩を抱き寄せた。
「揉んで上げようか。上手いものだよ、私は。」
「そうかい?お願いしようかな」
三郎は如何にもそういうのが得意そうだ。雷蔵は本当に疲れていたので三郎の下心たっぷりの目はこの際無視してしまう。
三郎に指示されるままに雷蔵は布団の上にうつ伏せに横たわった。着物が邪魔だと言うから上は脱いで黒い前掛けひとつの姿である。
その雷蔵の腰の上を跨いで座って三郎は親指を使ってぐりぐりと押し込むみたいに雷蔵の肩を刺激する。
「あー・・・」
雷蔵は溜息と一緒に長々と声を漏らして目を瞑る。いやらしく見えたから、誘ってるの?、なんて聞いたらぺちりと手を叩かれた。
「変なこと言うならもういいよ」
「まあまあ、もう言わないよ」
三郎はどうにかして雷蔵に触って居たいのでそんな風に宥めてまた雷蔵の肩を揉み解す。すると雷蔵はまたゆるゆる瞼を落としてうっとりとするのだ。唇は薄く開いている。やっぱりどう見たっていやらしい。
「気持ち良いかい?」
「うん。気持ち良い。」
愛しげに目を細めて三郎が訊ねると雷蔵は素直にそう返事する。元々邪な気持ちたっぷりに雷蔵にふれている三郎はごくりと喉が鳴ってしまう。
首の後ろを摘むみたいに指圧して、それから固くなってしまった背筋を伸ばす様、手のひらでぐっと押す。胸が圧迫されて雷蔵の唇からはふっ、と息が漏れるのが色っぽかった。
また一番凝ってるらしい肩の辺りに戻ってぐっと位置をずらしながら指を押し込んでいく。
「ん、ふっ・・・三郎ちょっと強い・・・」
とろん、とした声で雷蔵が言うのに聞き惚れてしまう。
もうちょっと加減しながらマッサージを続けると雷蔵は溶けたようになってしまって、手足を弛緩させる。
「どう?」
「あ・・・んん、・・・気持ち、いよ」
雷蔵が深く溜息を吐く。とろとろと今にも眠ってしまいそうな様子の雷蔵は、三郎の指が丁度気持ち良いところを探り当てる度、鼻にかかった声で其処が良い、もっと、など言っては可愛い鼻声を上げるから三郎の顔は耳まで真っ赤になってしまった。
「んっ、そこ・・・良いよっ・・・!」
ぐっと指を押し込んだら雷蔵がぴくんと揺れてそんな風に言う。あんまりいやらしいので三郎はくらりと目眩を覚えた。口の中はからからになってしまう。
これで変なことを言うなとか思うなとか、雷蔵は無理を言っている。
「若しかして、わざとやっているのかい?」
誘われているのなら吝かではない、
と三郎は意気込んで雷蔵の首をいやらしく指で擽った。すっかり身体も解れて血の巡りの良い雷蔵は、ぞくぞくと背筋を震わせる。
「…何が?」
雷蔵は用心深いような眼で三郎を見てなんのことか分からない素振りだ。
「声が、やらしい。誘ってる。」
「勝手に出るんだよ」
三郎がマッサージとは関係なく手のひらで雷蔵の脇腹辺りを擦り始めたので、雷蔵は慌てて身を捩った。顔をちょっと赤くして嫌そうに眉を顰めてぼそぼそ何か言う。
「気持ち良いのには弱いんだよ」
やっぱり、誘っているんだ。
と三郎は思って雷蔵の首の後ろにちゅっと吸い付いた。
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