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※現パロ。「AV」、「テレフォンセックス」と同設定。双子…ということにしました。
誓って僕は三郎とセックスをしたことがない。
けれど三郎がそういう目で僕のことをみているのを、僕はほんの子供の頃から気がついていて意識的に接触を避けていた。子供でもなんか嫌な予感を覚えてしまうくらい三郎はなんだか妙な秋波を出していたのだ。
僕はもう7つか8つのときから三郎と同じ部屋で寝ないし、三郎の前で不用意に着替えない様にしている。そういう風に僕が分かりやすく一線を引いていたので、三郎は出来る限りおとなしくしていた。隙在ればあわよくば、なんて思っているのは丸分かりだったけど
大人しい振りはしていた。
けれど問題は思春期の真っ只中の僕らの動物としての健全さだ。
三郎はたまに我慢の利かない様な日があるらしくってそういう日は僕の腰に纏わり付いて僕をその気にさせようとあちこち撫で回してくる。困ったことには、そういう時僕は釣られ易いのだ。双子というのは感情やら感覚やら同調しやすいとか聞くけれど多分本当だ。三郎が欲情すれば僕も、そうなる。
折角だから一緒に抜こうと言われて僕は頷いた。これが初めてのことじゃないから最早、馬鹿だ。
「言っておくけどこれはセックスじゃないよ」
僕は眼前に突きつけられた三郎の性器にちょっと鼻白んだ。僕はベッドに仰向けに寝転んでいて、その僕の頭を三郎は四つん這いになって跨いでいる。頭は僕の下半身に向けていて、嬉しそうに内腿の際どいところにキスマークなんかつけている。
「自慰だと思えば良いんだろう。分かっているよ。」
三郎の指が性器に絡んだ。僕も目の前のものに手を伸ばした。
自慰、と思い込むのはとても簡単だ。こんなときに僕と三郎の息は笑ってしまうくらい合っていて僕が三郎のを弄るのと全く同じに三郎の指も動いていた。自分で自分を慰めると感覚はまるで一緒だ。
先端に苦い先走りを浮かべている三郎のをぱくっと咥えたら、同じ刺激が僕の方にも襲った。根元を指で扱き上げられながら舌先で先端に舌が這う。これはちょっと、ひとりでは味わえない快感だ。
気持ち良いことは好きで、すぐ夢中になってしまう。
思い切り深く咥えて、舌を絡めながらずるずる音を立ててしゃぶる。青臭い匂いとか味だとかはあまり気にならなくて、僕のするのと同じだけ愛撫が返ってくるのが分かっているから、つい貪欲になりすぎてしまう。
んん、と鼻から抜ける喘ぎ声がふたりして重なったりする。あとから思えば、間抜けだった。
「さ、ぶろ…。もういく」
「…うん」
もう限界だ、と思ったところで僕は口に頬張った性器を吐き出したのだけれど、三郎は代わりにかえって深く咥えてきたりする。僕らの動きが食い違うのはそこで初めてだ。
「あ、あッ…!」
瞼の裏で星が飛んではじけた。口から零れるよがり声みたいなのは結局最後までぴたりと揃っていた。僕は三郎の射精に顔を背けて三郎は僕の精液を口で受けた。
もそもそと身体を反転させて僕と顔を見合わせた三郎は、口の中の精液を一度僕に見せてからわざと喉を鳴らして飲み込む。この辺りで僕の興奮はいつも一気に冷めるのだ。
「汚いな、飲むなよ」
僕が咎めても三郎は平気な顔だ。私たちの仲じゃないか、なんて言っている。僕と三郎の間にどういう仲があるつもりで言っているのか知れない。僕と三郎は恋仲では無いし、兄弟だからと持ち出せば尚のことそんなの飲んで欲しくない。念を押す。
「僕はお前と寝たつもりはないからね」
僕と三郎は兄弟だ。同じ日に同じ腹から生まれた。誓って僕は三郎とセックスしたりしていない。
…君がそこにこだわりたいのなら構わないよ、三郎が知ったような口をきいた。
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