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「犬の理屈」/※(白凄) 馬鹿犬×飼い主エロ  山崎シヅコ様よりリク


▼犬の理屈



 お前おかしいんじゃないのか。
と、ひとしきり盛り上がった筈の情事の後に男が言うものだから俺は少なからず狼狽した。

「あれ…俺何か仕方がおかしいですか?」

見下ろす腕の下では辛うじて袖が通っているのみの夜着を引っ掛けた男が浅く息を乱している。形の整った眉を寄せて怖い顔だけれどもこの人は大体いつもそんな顔をしているから本当に機嫌を損ねているときとそうでないときが分からない。
 とにかく俺は馬鹿なところがあるから知らず下手なことをしたかもしれないと、慌てて先の状況を思い返してみる。思い当たる節はやはり無くて、大体この男も最中なにも咎めなかったし不快そうでも無かったしむしろ気持ち良さそうに堪らなそうに喘いで吐精で腹を汚していたのだし射精の瞬間大きく仰け反った喉のラインが色っぽくって堪らなかった、…とまで考えたら欲情してカッとなって目の前の首筋に噛み付いてしまった。

「痛っ、…っの馬鹿!」
「ぎゃあ!」

首をさすって涙目の男に拳で殴られて、今度はこちらが痛いと悲鳴をあげる羽目になった。恨みがましい視線を送れば疲れきった溜息を吐かれる。

「…仕方とかそういう話じゃねぇよ」

 低い吐き捨てるような声は掠れている。不貞腐れているのか何なのか、様子を伺おうと顔をよくよく覗き込んだら、汗で前髪を一筋額に張り付けて目元も赤いのが色っぽい。
ので口を吸ったら弱くうんざりした様子で頭を叩かれた。痛くもなんとも無いそんな仕草は撫でられているようで気分が良い。また少し欲情してきて首筋に鼻先を埋めるように擦り付けて抱き込んだら、不穏を感じたらしい腕の中の身体は暴れだす。それがまた妙に興奮してその気になってしまう。

「もう一回したいです。」
「ふざけんな、離れろ!」

 犬歯を剥きだしで怒鳴る男の顔をやっぱり怖いなぁ等と思いながら、体重をかけて上から押さえ込む。
良く引き締まった脇腹の辺りから平らな胸を撫でて、触れただけですぐつんと固く立ってしまう乳首を摘んで押し潰したり指の腹で擽る。くぅ、と喉を逸らして呻く声に興奮してまた腹の下に熱が溜まってしまう。どうにも収まりが付かなくなってきたが互いに若いことだしいやらしい気分にさせてしまえばこっちのものだ。爪で嬲って赤く腫れさせた乳首に吸い付いて舌で転がす。

「ん、ァっ…よ、せ…」
「えー、駄目ですか。」

お願いですから、と腹の内はやましい気持ちだらけで無邪気な風を装うとこちらを睨みつける目から険しさが薄れた。俺はこの小狡さと要領の良さだけでなんとか忍びをやっているようなものなのだ。男が少し悩む素振りを見せた隙に片足を胸に付くまで折り曲げさせて肩に担ぎ上げる。

「あっ、馬鹿、…うあッ!」

我に返って慌てている男が息を呑むのを無視してさっさと繋がってしまう。腰を押し進めると先刻散々注ぎ込んだ場所からどちらのものとも分からない体液がぐちゅっと音を立てて卑猥だった。
しばらく動かさずにいれば内壁がひくひくと収縮する感じが気持ち良い。ちらりと目線で伺ったところでは男は顔をきつく背けて不本意に耐えるような顔をしている。けれど性器は固く芯を持ち始めていて、握って擦れば上擦った声をあげて結合部の締め付けがきゅうっときつくなる。


「あ、あ、…ぅ」
「…気持ち良いですか?」

唇を噛み締めて顔を背けている男からは返事が返ってこない。はぁはぁと肩で荒い息をして嫌がるように首を振るのはけれど結局気持ちいいのだろうと解釈した。どうせ不快なら俺如きにされるがままになるような人間ではないのだ。

「俺はすごく気持ち良いです。」
「……うっせぇ、よ」

正直な所を言ったらちっと舌打ち付きの悪態を頂いて苦笑してしまった。
宥めるように先端にぷくりと浮かんで零れる滴を手のひらで性器全体に塗りこめるようにしながら緩く腰を揺すりはじめる。途端びくっと身体を跳ねさせて善がり声などあげる男は激しく抜き差ししなくても刺激が強いらしくてひゅうと喉を鳴らして内股を痙攣させる。存外感じやすい男だ。
と、面と向かって言ったら殺されそうなことを思ってしまう。

「く、ぅ…あ、ぁ、……も、早く」

長い指が伸びてきて俺の頭を抱いた。髪の毛をくしゃくしゃに握り締めるので少し痛い。暴力的なのはもう手癖なんだろうか。
それでも早く早くと強請られるのに煽られてこちらも限界が近くなる。我慢がきかなそうでこのまま中に出していいか聞いたら、なんでもいいと怒鳴り返すので少し笑ってしまった。余程夢中なのか、けれど今のはちょっと他所に聞こえたんじゃないだろうか。

肩に乗せた足を担ぎなおして膝立ちになって激しく突き上げる。

「ぅあっ、あ、あぁ…ーーっ!!」

絶頂の悲鳴を上げながら無我夢中らしい長い足が俺の腰を抱くように絡んできて、俺はもう射精の快感と興奮のし過ぎで目の前がくらくら揺らいだ。






「だからおかしいだろ、お前は…」


ぐったりと、うつ伏せの姿勢で男が呻く。そういえば人のことをおかしいおかしいと繰り返すその真意をちゃんと聞いてなかった。セックスの仕方が異常とか気に入らないとかそういう話ではなかったらしいが。

「よく俺なんか相手にそこまで発情出来る」
「ああ、なんだ」

くしゃっと汗で湿った前髪を掻きあげて怠く溜息を吐いている姿は確かに可愛いやら女性的なのとは無縁だけれど俺はそそられるのだ。

「なんだ、何もおかしくないじゃないですか。好きなんですよ、アンタが。」

ぐ、と喉を詰まらせたような声を出して男が黙ってしまった理由は分からない。布団に臥せっている裸の背中に擦り寄っていったらべしっと手の甲で殴って跳ね返された。

「おかしいだろこんな…」

両腕で頭を抱えてしまった男がぶつぶつ言うのをなんとなくで聞き流しながら一緒の布団に潜り込んで寝た。


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