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「あらら、」
襖を開くとそこは血と肉と精液でどろどろだったので私は思わずそう呟いた。
部屋の真ん中には私の良く出来た部下が居て、跨いでいた女の死体と私の顔を交互に見て笑いを隠すような微妙な表情をもごもごとして見せた後、散らかしてスミマセンと子供のようなことを言った。
「うん、外、鴉がすごいよ」
生臭い匂いはそれほどに匂ってきていた。
殺してからすぐに片付けてしまえば匂いもそれに寄って来る鳥も酷くなかったのだろうが、部屋の惨状を見るにこの子は女の死体で少し遊んだらしかった。
私の部下は優秀だったが、良くない趣味がある。
布団の上に転がっている女の身体を布団ごとくるっと丸めてしまって、よいしょっと持ち上げると部下もまたやってきて布団の端を抱えた。
「引越しみたいだねぇ」
「そうですね」
部下がにこっと笑った。布団の端から赤いものがぼたぼた落ちるので後で雑巾をかけなければならない。
「で、この子、何処のお城の子だったの?」
私が聞くと部下はある城の名前を口にした。良く聞く名前だった。
布団の上の女は最近城にやってきた女中だったが、やたらと内部事情について興味を見せるのが不審だと思っていた。
するとやはりこの部下に気のある節を見せて色々と探りを入れてくるようだったから、絆された振りをして調べてみるように、とそう仕事を与えていたのだ。
事の次第によっては、と女の始末までも任せていた。途中過程で大分楽しんだようだったが、こうして仕事の要はちゃんと押さえているようだったから細かいことはとやかく言いはしない。
しかしこの子の遊びに私はひとつ気になったことがあった。
「でさぁ、この女の子なんで顔に包帯巻いてるの?」
すると良く出来た私の部下はまた笑いを押し隠す微妙な顔をして私を見るのだった。
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