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お昼寝/ほのぼのやまなしオチなし意味なし短文 部下雑



▼お昼寝




洗濯物を干してしまうおうと庭に出たところ、タソガレドキ忍軍百人を率いる我らが組頭が、縁側に丸まって子供のような寝方をしているのに出くわした。


「そんなとこで寝て、風邪ひかんでくださいよ」


取りあえず、声を掛けてみるがすやすやと気持ちよさそうな寝息が聞こえるばかりである。洗濯物を突っ込んだ洗い桶で両手が塞がっているので、無礼承知で足の先で組頭の背中をつついてみる。


「ほら、日に焼けますよ。アンタ元々皮膚焼けてるんですから、痛いって泣くでしょ」

実際泣いたりはしないのだが、痛い痛いとわざとらしく喚いてうるさいことこの上ないのだ。

「犬に食われますよ」

邸内には不審者を見つけたら吠えるよう犬が飼われてたりもする。餌はやっているから噛んだりはしないはずだけれど俺はそう脅してみる。


「・・・食いますよ」

 これは脅しではない。返事がなければ折角だから食ってしまおうと俺は思った。着物の裾を散らかして寝っ転がっている姿が先ほどから目に毒なのだ。組頭は起きる気配はないようだ。

そうか、分かった。食ってしまおう。

そう決めると俺はなんだか浮かれた気になってきた。
しかし両手は洗い桶で塞がっているので取りあえずこれを片づけてしまおうと俺は一旦その場を離れたのである。







「ああああ!!!何で起きちゃってるんですか!!!」


さて、洗い桶を片づけて俺が戻ってくるとあれだけ声を掛けても起きなかった組頭が目を覚ましているのだ。

「なんでって、」

組頭は目をぱちくりさせている。


「殺気を感じたんだよねぇ」


ふあっと欠伸をひとつして言った組頭の台詞に俺はがっくりとうなだれたのだった。





食えるときに食うのが野生の掟です。


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