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淫夢(鉢雷 インキュバス三郎によるファンタジーエロ)


▽淫夢



 ※三郎が人外でなんか人間とエロいことして栄養吸ってるみたいな都合の良い設定でご覧下さい。


 


 初夏の夜である。最近は夜も寝苦しくなってきたこともあり障子の窓を少し開いて雷蔵は眠っている。その障子の窓からするりと忍び込んだ影があった。人ならざる者である。二人一部屋で宛がわれている部屋の中では雷蔵の他にもう一人が衝立一枚を隔てて寝ているのだが、影は迷わず雷蔵に近づくとその身体に覆い被さった。
 鼻先が触れるほどに顔を近づけて指先で雷蔵の髪から頬、首を通って胸から横腹へと遊ぶように撫でる。すやすやと眠っていた雷蔵は眉を少し寄せて身じろいだ。

「う、ん…?」

 寝ぼけた様子で唸った雷蔵は自分の上に乗っている邪魔なものを払うように手を振った。どうにも眠気が強くて意識を半分以上夢の中に置いてきたままである。払った手首を何かが掴み返したのを雷蔵は感じたが、何かが居るなとぼんやり思うばかりでまたうとうとと眠りに入りかける。手首を掴んだ何かは、雷蔵の指先に軽く歯を立ててみたり口に含んで吸ったりしている。
うつろな意識の中、雷蔵は背筋を粟立たせた。

ああ、これは酷く、

「……気持ち良、い」

思わず溜息交じりに口に出したところでようやく雷蔵の瞼が開いた。開いた目の先では雷蔵とそっくり同じ顔をした男が居て雷蔵は丸い目をさらに見開いた。男は目をすうっと細めて笑うと、己の唇を雷蔵の唇に重ね合わせる。


「なっ、」

声を上げかけて開いた唇の間に男の舌が滑り込む。ねっとりと口内を舐る感触に途端がくりと身体の力が抜けて雷蔵は狼狽えた。

「ふっ、…ん、ぅ…」

唾液の糸を引いて唇が離れていく頃には雷蔵は頬から耳まで赤く染めて、息も絶え絶えの様子である。

「私の口吸いは善いだろう?大概これで立っていられる者は居ない」

にたりと男は笑って細く長い指で雷蔵の首の下を擽ったりする。それだけでぞくぞくと背筋を這い上る快感があって雷蔵は身を捩った。
男は鼻先を雷蔵の首筋に埋めてくん、と臭いを吸い込む。

「君は美味しそうだ」


不穏な言葉に目を見開いた雷蔵を男は可笑しそうに笑った。

「なに怖いことはないさ。人の精気が私の食事なんだ。大人しくしておいで。」


すごく気持ち良いからね、耳元にそう吹き込まれて雷蔵はごくりと喉を鳴らした。首筋に噛みつかれて、ちゅうと音を立てて吸い上げられる。夜着の袂を割って男の指が雷蔵の素肌を直接這い回る。


「っひ、・・・あ、あ、・・・嫌、だ。なに・・・?」


男の指が触れる度に全身に痺れた様に疼いて、熱が上がる。そういう風に快楽を与えてそれを食うのがこの男の食事である。男でも女でも溺れるほど感じさせる毒をこの生き物は纏っている。
雷蔵は男を押し退けようとして両腕に力の全く入らないことに気づき益々混乱した。


「快楽には不慣れかい?随分可愛い。」


 薄く汗をかいている雷蔵の素肌の胸に男は唇を運んで、つんと尖っている乳首を緩く歯で挟む。舌先で擽ったり吸いついたりしながら、もう片方の胸にも指先で刺激を与えると雷蔵はもう堪らないらしい。ぎゅ、と男の身体にしがみついていやらしい声を上げている。


「んんぅ、っあ、あ・・・」


もぞもぞと膝を摺り寄せている雷蔵の夜着の裾は乱れている。男の指が薄く汗ばんでいる太腿を這い上がって下帯を上から握りこむ。とうに勃起している其処をからかう様に擦られて雷蔵は頬を赤く染めて疼いた顔をした。


「そんな顔しなくてもちゃんと触ってあげるよ」
「んっ…」

下帯がするりと解かれて露になった性器を男の細い指が直接握りこむ。指で輪を作って擦り上げながら、男はそこに唇を寄せる。先端にぷくりと浮かんだ滴を舐め取って、深く咥える、緩急をつけて吸い上げて、舌先で先端を刺激する。

「ふ、ああ、ああっ…も、だめ、」

足の親指が反り返って腹筋を痙攣させて、今にも達してしまいそうだというところで男は雷蔵の性器の根本をきつく握り込んで射精を妨げる。


「ひっ、あ、ああッ・・・!」


寸でのところで解放されなかった快楽に雷蔵は涙をこぼしてじたばたと足を暴れさせた。
それを押さえつけて男は程良く熟してきた食事を前に舌なめずりせんばかりの顔をしている。


「ダメだよ、まだイっちゃ。我慢して。」


その方が美味しいんだ、と三日月型に目を細めて笑う男の言葉に雷蔵はくらりと意識の遠のくのを感じた。
下腹部はずきずきと熱を孕んで疼いている。雷蔵は途切れ途切れに息を吐きながら男の首に腕を回して弱々しく首を振った。

「っ、も…早く、」
「我慢できない?」

出来ない、早く、殆ど悲鳴の様な雷蔵の台詞に男は満足したらしい。

「いいね、卑猥だ」


男はにやりと犬歯を見せて笑って、いただきます、等と雷蔵の耳に吹き込んだ。そこから先、雷蔵の意識は飛んでしまって気がつけば朝である。

朝目を覚ました雷蔵は何も覚えていない。
けれどなんだか頬が火照っている。なにかいやらしい夢を見たような気がして雷蔵はぼうっと開けっ放しの窓の外を眺めていた。






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