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おとめのきもち(伊食満 ※危険!! 食満女体化・逆CP注意)


▽おとめの気持ち



 
 共同部屋を真ん中で仕切る衝立の向こうが緊迫した空気を帯びているのを感じて、伊作は首を傾げた。
衝立から頭を覗かせて様子を伺うと、着物の上を脱いで黒い前掛け一つで胡坐を掻いている留三郎の背が見えた。その留三郎の気配がなんだか変なのである。ピリピリしているというか緊張した空気で、猫背気味に何かを見ている。


「留三郎?」


 伊作が声をかけると留三郎はぎくっと肩を強張らせて固まった。こういう様子を伊作は何度か見たことがあって、大概は格好つけたがりのところがある留三郎が怪我やら体調の不良を隠しているときである。そこで迷わず伊作は衝立を回りこんで留三郎の正面に回りこんだのだ。


「とーめ…」
「ぎゃあッ、こっちくんな!!」


 常に無い甲高い声で留三郎が叫ぶ。落としていた着物をさっと拾い上げて前を隠すので、やはり何か隠しているなと伊作は留三郎の前掛けの下を引っ掴んで一息に捲り上げたのである。大方、打撲の跡やら変な腫れでもこさえてきていると思ったら伊作の目にしたものはちょっと違うものだった。


「…む、胸…留三郎、乳が…?」


 痩せ型ながらもそれなりに筋肉の付いていた筈の留三郎の胸には白い柔らかそうな乳房が膨らんでいたのである。
はらり、と伊作は摘んでいた前掛けの裾を放した。

狐に抓まれた顔で留三郎を見上げると留三郎は絶望的な目で伊作を見返した。しばらく奇妙な沈黙の後、伊作は黙ってもう一度前掛けの裾を捲る。


「に、二次性徴…」
「ねェよ。」


 若しかしたら留三郎は女の子で最近ようやく二次性徴を迎えたのかもしれない、という伊作の真剣な推測は留三郎にすっぱりと否定されてしまう。そもそもかれこれ六年寝起きを共にして、同じ部屋で共同生活を営んできたのである。伊作の知る限り留三郎は間違いなく男であった。


「…気づいたらこうなってたんだよ。畜生、なんの病気だ。」

 留三郎は頼る目で伊作を伺い見ている。得てして怪我や病気に全く知識のない人間と言うのは医者を何でも治せるものと認識しがちで有る。伊作は医者ではないが保健委員のその上委員長であるので、学園の生徒の怪我や病気の治療は一通り伊作に頼られるのである。
 無言の眼差しが刺すので伊作は結局留三郎を自分の前に座らせて言った。


「…じゃあ診てみようか」





 さて、前掛けも外して上半身を裸の状態で留三郎は伊作の前に座っている。
伊作は改めて留三郎の胸をしげしげと眺めた。

「…あんまり大きくは無いよね」


留三郎はどう反応したものか分からず細い眉をきゅっと寄せただけで黙っている。伊作の検眼では、年頃の娘にしては小さいが形は良いらしいと言う留三郎の胸を伊作は手のひらで包むようにしてぎゅっと引き掴んでみる。


「痛ッ…てェ!?伊作痛ェ!!」
「あ、ごめん」


留三郎は電気でも走ったみたいに身を竦めたので伊作は慌てて手を離した。鋭い目の端には薄っすら涙まで浮かんでいる。


「しこってるなァ…痛いってことは成長期まっ只中だ。平均より大分遅いけど。良かったね、留三郎。まだ大きくなるよ」
「なってたまるか」


留三郎は余程痛かったらしく両腕を胸の前で交差させて庇っている。あんまり娘っぽい仕草に伊作は苦笑した。指先を軽く握ったり開いたりして留三郎を呼び寄せる。


「大丈夫大丈夫、横から優しく揉めば痛くないから。」
「俺、お前のそういう知識あんま聞きたくねェんだけど…。」


 少女のような風貌をしておいて伊作はなんだか女の扱いに慣れている様で、留三郎はげんなりしてしまう。
伊作はふふふ、と可愛く笑って留三郎の腰を抱き寄せたりする。いつのまにか随分楽しそうである。形の良い胸の膨らみを横から掻き寄せてやわやわと揉みしだく。留三郎は居心地悪げに視線を彷徨わせている。


「あ、う……おい、これ診察だよな…?」
「え、ああ。うん。もちろんだよ留さん。まかせておいて。」


伊作はにっこりと微笑んで見せたかと思えば、ピンク色した留三郎の乳首を指先できゅっと抓り上げたりする。


「ひっ、…んッ!」


びくっと背を跳ねさせた留三郎は自分の口から上った女々しい悲鳴に愕然としたようで、さあっと一度青褪めてから今度は耳から首の下まで赤くなった。伊作はなんだか幸せそうな顔でにこにこと笑っている。留三郎は酷く嫌な予感がした。


「可愛いなあ。僕女の子好きだよ。留さん。」


普通の娘だったらすっかり恋に落ちてしまいそうな甘い声で伊作は言うのである。
 伊作だって若い男なのでそれはそうなのだが、留三郎の背に冷や汗が伝った。そんな告白は今聞きたくなかった。今更ながら耳を塞いだ留三郎はわなわなと唇を震わせていたのだが、やがて本能的にずりずりと後退しはじめた。
 伊作は少女みたいな細い可憐な指で案外男らしくがっ、と留三郎の袴の帯を引っ掴む。


「下もどうなってるか診ようか」

留三郎に聞こえた空耳ではそれは殆ど「いただきます」と聞こえた。



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